2011/09/17

05 即日相談実現のための意識改革とテクニック

05 即日相談実現のための意識改革とテクニック

前回は新件相談を増やすためには,即日相談に応じる「覚悟」が必要だと,何だか精神論のような話しで終わりました。
しかし,「即日相談を受けるぞ」と何回誓っても,何回唱えても,それで即日相談を受けることができるわけではありません。

問題は,以下で述べることをやり抜く目的意識を事務所として共有しうるかということです。そのためには,所長の「覚悟」が必要ですし,その前提となる事務所の理念が確立していなければなりません。

第一に必要なのは,全ての弁護士・事務局の意識改革です。
キーワードは,「サービス業の視点」であり,「ユーザー目線」です。
弁護士は,全体としてみれば,極めて高い能力を持った集団ですが,それ故に,えてして独りよがりだったり,自己満足に走りがちです。弁護士の「敷居が高い」と言われるのは,この「サービス業の視点」,「ユーザー目線」が欠けているために,独りよがりだったり,自己満足に走りがちなことに由来しているのではないでしょうか。
法律事務所も,「サービス業の視点」,「ユーザー目線」から,あらゆる業務のあり方を見直すべきです。それ抜きには,今,弁護士にアクセスできていない市民や中小企業は,いつまでたっても弁護士にはアクセスしないでしょう。
ここで,「法的サービスにアクセスできていない市民,中小企業に対し,…法的サービスを提供できる事務所」を目指すという原総合法律事務所の理念が,「サービス業の視点」,「ユーザー目線」と結びつくわけです。

この意識改革ができれば,即日相談への対応は当然のこととして受けとめられるはずです。
せっぱ詰まった問題を抱えた人が,逡巡したあげく,ようやく法律事務所に電話を架けたのに,相談を受けられるのが,何日もあとで,しかも時間が指定されるようでは,もう弁護士に相談しないとなっても仕方がないでしょう。
法律事務所では即日相談が当然となることが,法的需要の掘り起こしの前提条件です。

意識改革ができれば,第二に,即日相談を可能にするテクニックをマニュアル化しましょう。
弁護士が2人以上いるのであれば,まず,即日相談の担当日を割り付けます。期日が入るより先に,つまりおおむね2か月以上前には,担当日を決めておくことが必要です。これを原総合法律事務所では,「事務所内当番」と呼んでいます。
かといって,担当日は終日予定を入れないようにするまでの必要はありません。実際には,午前中に問合せの電話があっても,事務所に来所できるのは午後にしかなりません。また,経験的に,即日の相談を希望される方は,1日にあっても1~2件です。そうすると,午後に2時間程度時間を空けていれば,実際には即日相談は可能です。
でも,原総合法律事務所では,電話を受ける際,「ご希望の日時はありますか。」と聞くのではなかったか(04)という点に気付いた方,鋭いです。そこで,たまたま予定を入れてしまった時間帯を希望されたときには,「あいにく,その時間は予定が入ってしまいましたので,その前後の○時はいかがでしょうか。」と答えるのです。
結果として,○時からの相談になるにしても,最初から,「○時なら時間が取れます。」という対応は,弁護士の都合を優先しています。そうではなく,まず,「ご希望は何時ですか。」と聞かれれば,結果として,希望の時間が取れなくても,自分の都合を優先しようとしてくれたのだと思ってもらえるのです。
それが「サービス業の視点」,「ユーザー目線」というものです。

なお,実際に,このような対応をとろうとすると,全スタッフが,弁護士の最新の予定を把握できなければなりません。弁護士の予定は,結構流動的で刻々と変化します。そのためには,グループウェアを導入することが必須でしょう(原総合法律事務所ではサイボウズを利用しています。)。